良い習慣を身につけて幸せになる ヒルティ幸福論 #4

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ヒルティの幸福論から「良い習慣」について紹介しようと思います。

ちなみにヒルティはこんな人。

カール・ヒルティ

ひげもじゃ おじさんです。

キリスト教徒として有名な哲学者ですが、この人の幸福論は、絵空事ではなく超実践的な幸せになる方法を僕たちに教えてくれます

今回は、そんなヒルティ幸福論の「良い習慣のついて」の解説をしていきます。

幸せになる習慣を身に着けていきましょう。

なぜ、良い習慣を身につける必要があるのか

まず、なぜ良い習慣を身につける必要があるのかについての解説になります。

ヒルティはいいます。

  • 教育の目標とするところは、善への性向をもつ人間を育て上げることである。いつでも善と悪とをよく考えて選ぶというのでは、頼みにならない。人間の激しい感情に対してはそんなことをしている暇がない。むしろ望ましいのは、いろいろ考えなくても即座に、善を実行する傾向である。
  • 善行に必ず付随する主な報酬は、善は常に善を生み、こうしてその善行者にいつまでも続く利益を与えるのである。

 

人は殆どのことを習慣によって、判断し動いています。人は1秒間に取得する情報は1100万件、このうち「意識して」判断するのは
たった40件と言われているほど、習慣的に物事を自動的に判断しています。

幸せになれることを習慣化することで、幸せになっていこうというのが今回のお話になります。

ここで、少し脱線しますが、マザー・テレサの言葉を紹介します。

言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

良いことをし続けると良い人生になります。逆に悪いことをし続けると悪い人生になります。
だから幸せにになれることをし続けて、幸せな人生を送りましょう。

良い習慣を身につけるとよい人生が遅れるとヒルティもマザー・テレサもいいます。

では、具体的に以下の2つを見ていきましょう。

  1. どのようなことが幸せになれる習慣なのか。
  2. どうすれば習慣化できるのか。

幸せになれる習慣とは

まず、どのようなことが幸せになれる習慣であるかを紹介します。ひとつひとつ見ていきましょう。

  1. 恐怖心に惑わされず、原因を突き止める
  2. 富や大きな名誉や権力を求めない
  3. 悪い人を避ける
  4. 人を愛する

恐怖心に惑わされず、原因を突き止める

ヒルティはいいます。

  • 恐怖心をもたぬということである。(中略)なにか困難なことが起きたときには、これは三日間つづくだけで、それ以上つづきはしないのだと、前もって簡単に考えるようにする。
  • あらゆる恐怖は同時にまた、われわれの内部になにか正しくないものがある。ということの証拠だと確信することである。それを探し出して、取り除くがよい

 

僕たちは恐怖という感情で、身動きがとれないことがよくあります。でも、その恐怖心に負け、ふさぎ込んでいても前には進みません。

恐怖の原因に対して、強い意志で対応をしましょう

 

富や大きな名誉や権力を求めない

ヒルティはいいます。

  • 相容れない二つのものを同時に求めないという習慣を養うべきである
  • 人生の財宝は、堅固(けんご)な道徳的確信、精神の良い教養、愛、誠実、仕事の能力と仕事のたのしみ、精神および肉体の健康、そしてほどよい財産である
  • これらと相容れないものは、富、大きな名誉と権力、そして不断の享楽(きょうらく)である

 

あなたはどちらを幸せだと感じるでしょうか。
ヒルティは道徳、教養、愛、誠実、仕事を求めることが良いといいます。
この内容はとても難しいので、
次回お話いたしますが、簡単にいうと、富や名誉や権力等は、幸せになる手段であり、
それ自体に幸せありません。
これらを得ようとすると、いろいろな苦難に襲われるために、幸せにはなれないといいます。

「富や名声、快楽に生きるのか。それとも仕事と愛に生きるのか」についての詳細解説はこちら

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悪い人を避ける

ヒルティはいいます。

  • 悪人とはっきり分かる人との交際は、精神的に絶対に有害であり、神経の細やかな人にあっては、不愉快な思いにからだをも損なうほどで、(中略)あらゆる意味において不健康である

 

そんなのわかっているわ!と思うかもしれません。
でも、上司であったり、同僚であったり、先輩であったり、
その人から逃れられないときってありますよね。

そのような人にどのように対応すればいいかっていうこともヒルティは言ってくれます。

  • 悪は、格別きびしく叱ったり、非難したりする必要はない。多くの場合、それが明るみに持ち出されるだけで充分である。そうすればその人は、表面上はたとえ反抗しようとも、必ず自分で良心のさばきを受けるものだからである。
  • 我々が非難するべき人と話す場合は、冷静に、事をおおい隠すことなく、わざと柔和な顔を見せたりせずに、ただあっさりと、人間的な怒りなしに、話さなければならない。
  • われわれが常に彼らの考えを見抜いており、彼らが本来何を欲しているかを知っているということを見せてやらねばならない。

 

悪い人がいれば、自分で対処するのではなく、それを明るみに出しましょう。
自分で対処しなければならないときは、あっさりと冷静に客観的に話すようにしましょう。
これらのことは速攻性はありません。
でも、実施していくことで、少しずつ好転していきます。僕も経験があります。
今、困っている人は、試してみてもいいのではないでしょうか。

人を愛する

この習慣は最も重要であるとヒルティはいいます。

ここでいう愛とは。

とは
相手のことを尊重し、大切にする。
になります。
これを念頭において、ヒルティの言葉を見ていきましょう。
  • われわれはどんな価を払っても、われわれ自身のために習慣的に、すべての人々を愛するようにつとめなければならない。人々が愛に価するかどうかは問うことはなしに。なぜならそれを誤りなく判断することはきわめて困難だからである。
  • 憎まねばならぬのは、どこまでも物であって、決して人間ではない。人の善悪を判断して公正を失わないということは、あまりにも困難である。不公正な判断は常に、判断を誤ったその人を最も強く苦しめるものである。
  • 愛をしりぞけてはならない。また愛する価値があるかをどうかを問題にしてはならない。これが常に心の奥を平和に保ち、さもなければ普通ひとが次第に厭にならずにはいられないような事物や人間に対して、なお関心をもちつづける唯一の手段である(中略)深い愛情なしには、(中略)とかく退屈なものになりがちだ。
  • すべての人に対して、一様に親切であるということは結局できないことだ、ときみは思われるかもしれない。(中略)それなら最初は区別をして構わない。だが、常にまず、この世の弱者、すなわち、貧しい者、おろかな人、教養のない人、子どもたち(動物や植物さえも)のためを思って、決して反対に立派な人たちを先に立ててはならない。
    特に、また、きみの「へりくだった態度」に対する感謝などを当てにすることなく、むしろ彼らの愛を、君自身の愛と同じように尊重するならば、その時きみは心に幸福を感ずるだろう。

 

愛は人を孤独から救ってくれます。自分から他人を愛するようにしましょう。

ここでいう愛は恋人とかではなく、相手のことを尊重するということです。

気に入ってもらうために、へりくだった態度をする必要はありません。
へりくだった態度しているのは、相手がへりくだった態度をすれば喜ぶと思っているということです。
それは相手のことを尊重している態度ではありません。
相手のことを尊重し、大切にしましょう。

身近な人から、大切にしていけば、あなたは死ぬまで平和な心を持ち続けられ、幸せになれます。

その他のおすすめ習慣

  • 週に1日は休むこと
  • 他人に必要以上に骨折らさせたり、苦しめたりしないこと。教養のある人も多くの罪を犯している
  • その日の義務を忠実に果たすこと
  • 話をするときには、本当のことを正確に、そして簡単に話すこと
    幸福論 簡単じゃないですよ・・・

 

幸せになれる習慣を知ることができました。

では、これらの習慣をどのようにすれば定着させることができるのでしょうか。

どうしたら習慣化できるのか

悪い習慣をしないのではなく、良い習慣をする

ヒルティはいいます。

  • 消極的に悪い習慣を捨てようと努力するよりも、むしろ常に良い習慣を養うように心がけねばならぬ(中略)防御的であるよりも、攻撃的である方が、精神的にずっと楽だからである。つまり、攻撃的であれば、勝利のたびによろこびを感ずるが、しかし単なる防御はいたずらに多くの力を消耗するばかりだからである。

人は同時に二つのことは出来ません。良い習慣をすれば、悪い習慣はしなくなります。
今回、紹介した良い習慣を実施していけば、おのずと悪い習慣はなくなっていきます。
良い習慣をしていきましょう。

自分自身の欲望に流されない

ヒルティはいいます。

  • 良い習慣を実行するについての困難、本来ただ一つの困難は、自然の我欲を心から取り除くことである。(中略)どんな人でも、その好悪(こうお)の点でなにかのいちじるしい偏りをもっているもの。
  • 汝自ら汝の法王であり、主君であれ

全然わからないところが出てきました・・・
これは、自分自身の欲望や感情に流されず、
自らの強い意志をもって良い習慣をしていくということです。
最後は精神論です!
強い意志の力で良い習慣をし続けましょう。

といっても、ヒルティは強い意志を持ち続ける方法も教えてくれます。

 

  • 自己教育はすべて、ある重大な人生目的をひたすら追求し、これに反する一切のものから遠ざからろうとする意志、断乎たる決心とともに、始まるものである。そうすれば、それに続いてすぐ、おのずから能力の探求が始まる。

人生の目的が定まれば、強い意志を持つことができるといいます。
自分の人生の目的を考えてみるのもいいかもしれません。

まとめ

 

今回のテーマは、 幸せになることを習慣化することで、幸せになっていこうでした。

幸せになれる習慣とは

  1. 恐怖心に惑わされず、原因を突き止める
  2. 富や大きな名誉や権力を求めない
  3. 悪い人を避ける
    避けれない場合は、悪い人を明るみに出しましょう
  4. 人を愛する
    人を尊敬し、大切にしましょう。

でした。特に人を愛する習慣が重要になります。

これらの習慣を身につければ、あなたは死ぬまで平和な心を持ち続けられ、幸せになれます。

習慣化するためには、

  1. 悪い習慣をしないのではなく、良い習慣をする
  2. 自分自身の欲望に流されない
    人生の目的を持ち、強い意志で良い習慣をし続けましょう。

 

人を愛するということを習慣にするというのは、すごく素敵なことだと思いました。
今回の人を愛するということを読んだとき、絵本の「100万回死んだねこ」を思い出しました。
最後に自分よりも愛する家族を見つけたねこのお話です。
僕の解釈ですが、この絵本は、愛する人が見つかればそれだけで、
幸せな人生を送れると伝えてくれている気がしています。

100万回死んだねこの哲学的考察はこちら▼

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100万回生きたねこx哲学

 

 

最後にヒルティの言葉を紹介します。

  • 心は愛の前におののく、さながら没落を怯えるかのように。そのわけは、愛が目覚めるとき、暗い暴君の自我は死なねばならぬゆえ。きみは彼を夜のうちに、死なせて、曙光(しょこう)の中に自由に歩むがよい。

 

なにか感じ取っていただけたでしょうか。

 

参考文献
ヒルティ 幸福論 (第1部)

 

ヒルティの幸福論解説の続きはこちら▼「富や名声、快楽に生きるのか。それとも仕事と愛に生きるのか」について解説しています。

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