- 幸せになりたい人
- 幸せを知りたい人
- 自由になりたいと思っている人
- 冷静になりたいと思っている人
- ヒルティの幸福論が難しすぎてわからない
ヒルティの幸福論から「力の及ぶものを知って幸せになる方法」について紹介しようと思います。
ちなみにヒルティはこんな人。
ひげもじゃ おじさんです。
キリスト教徒として有名な哲学者ですが、この人の幸福論は、絵空事ではなく超実践的な幸せになる方法を僕たちに教えてくれます
このヒルティは
「力の及ぶもの」に対して、注力すると人は幸せになれ、「力の及ばないもの」に固執すると、人は幸せになれない。
と言いました。
そして、「力の及ぶもの」に対して、注力すると、冷静さと不屈さを得られ、自由に近づくとヒルティはいいます。
この「力の及ぶもの」とは一体何なんでしょうか?
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「力の及ぶもの」
ヒルティは力の及ぶものに対してこう言います。
- われわれの力の及ぶものは、判断、努力、欲望、嫌悪など、一言でいえば、われわれの意志の所産(しょさん)の一切である
- われわれの力の及ぶものは、その性質上、自由であり、禁止されることもなく、妨害されることもない
力の及ぶもの 自分の心(判断 努力 欲望 嫌悪)になります。
自分の心については、「力の及ぶもの」としてコントロールできます。
「力の及ばないもの」
- われわれの力の及ばないものは、われわれの肉体<容姿・健康)、財産<資産>、名誉<評判>、官職<地位>など、
われわれの所為(せい)ではない一切のものである - われわれの力の及ばないものは、無力で、隷属的で、妨害されやすく、他人の力の中にあるものである
力の及ばないもの 肉体<容姿・健康)、財産<資産>、名誉<人の評判>、官職<地位>、未来、過去、他人になります。
「力の及ばないもの」は自分ではコントールできません
財産や、名誉や、地位に関して、力の及ばないというのは、言い過ぎな気もしますが、自分以外の何かの影響をうけるという意味では、完全にコントロールできていないといえます
例えば、財産であれば、株式投資をしていても、自分とは関係のないところで、株価が下がり、資産が減ったりします
名誉であっても、それは他人の評価であって、自分では完全にコントロールできません。
地位に関しても、その役職に就けるかは、ほかの人の影響を受けますし、どんな仕事が回ってくるかは、自分ではコントロールできません
人の心もコントロールできません。
肉体に関しても、自分の容姿についても生まれ持ったものです。
このように、自分の力だけではどうしようもないものを「力の及ばないもの」としています。
このような「力の及ばないもの」に固執してしまうと、不幸になることは、想像できると思います。
「力の及ぶもの」と「力の及ばないもに」については、知ることができたと思います。
では、これらの及ぶものと及ばないものに対して、どのように対応すれば幸せになれるのでしょうか?
どのように対応すれば幸せになれるのか
「力の及ばないもの」に手を出さない
力の及ぶものは、自分の心(判断 努力 欲望 嫌悪)になります。
力の及ばないものは、肉体<容姿・健康)、財産<資産>、名誉<人の評判>、官職<地位>、未来、過去、他人でしたね。
それを念頭にヒルティの言葉を見ていきましょう。
- きみが、真に自分の所有するものを自分のものと思い、他人のものを他人のものと認めるならば、だれも君を強制したり、妨害したりはしないであろう。きみはだれも恨まず、非難せず、またどんな些細なことも自分の意志に反してなす必要はないであろう。
- われわれの力の及ばないものは、無力で、隷属的で、妨害されやすく、他人の力の中にあるものである
- 努めてあらゆる不愉快な思考に対して、(中略)、われわれの「力の及ぶもの」であるかどうかを調べるがいい。
そして、もしそれが、我々の「力の及ばないもの」であるならば、次の言葉を用意せよ、「それは、わたしにはかかわりがない」
きちんと「力の及ぶもの」と「力の及ばないもの」をしって、力の及ぶものに注力する限りは、だれもあなたを攻撃しません。
でも、もし、あなたが「他人の力の及ぶもの」に対して、なにかを強制しようとしたりすると、敵とみなされ攻撃されてしまいます。
自分の「力の及ばないもの」に対しては、きちんと断りましょう。
「力の及ぶもの」をきちんとコントールする
力の及ぶものは、自分の心(判断 努力 欲望 嫌悪)になります。
それを念頭にヒルティの言葉を見ていきましょう。
- 人を不安にするものは、事柄そのものではなく、むしろそれに関する人の考えである
- きみを虐待するものは、君をののしったり、打ったりする人ではなく、これを屈辱と考えるきみの観念である。だれかがきみを怒らせたなら、それはただ君自身の観念が君を刺激したのである。
- だれも君を苦しめることはできない。君が自ら苦しめられたと考えるときのみ、きみは苦しめられるのである
僕たちは、あれこれ想像して、不安になってしまいます。でも、きちんと事実を確認して、きちんと判断する。
ただの被害妄想であったり、事実以上に不安になっているときもあると思います。不用意に不安にならなくてもいいのです。
ペンギンもすぐ被害妄想に陥り、世界を嫌いになることが多々あります
- 他人の子供が瓶をこわしたならば、だれでも直ぐに心でいうだろう、それはありがちのことだ、と。だから、きみの瓶がこわれた時にも、他人の瓶がこわれたときと、同じ態度をとるべきである
他人事のように、自分のことを考える。色んなことを客観的にみることは出来ますが、
でも、自分のこととなると、客観的にみることはなかなか難しいですね。
そんなときでも、あたかも他人事のように自分のことを考えて、行動するのがいいと思います。
こうすることで、感情に囚われないようになります・
「力の及ばないもの」に備える
力の及ばないもの 肉体<容姿・健康)、財産<資産>、名誉<評判>、官職<地位>、未来、過去になります。
それを念頭にヒルティの言葉を見ていきましょう。
- 人しばらくまわってこなかったからといって、強いてそれを求めてはならぬ。むしろそれが君のところにまわってくるまで待っていよ。
- あらゆる出来事に際して、わが身を省みて、これに対抗すべきどのような力を自分が持っているかを吟味するがよい
自分の思い通りにならなくて、不安になっても仕方ありません。チャンスは必ずやってきます
急に、重い病気にかかったり、資産を失ったりすることがあります。そのような未来を予想することは出来ません。
でもそれに対して、今の自分が何ができるかを考えて、その準備をすることは出来ます。
「力の及ばないもの」を気にせず、「力の及ぶもの」に注力する
力の及ぶものは、自分の心(判断 努力 欲望 嫌悪)になります。
力の及ばないものは、肉体<容姿・健康)、財産<資産>、名誉<人の評判>、官職<地位>、未来、過去、他人でしたね。
それを念頭にヒルティの言葉を見ていきましょう。
- 高い名声を担っている人を見るとき、自分の想像に欺(あざむ)かれて、彼等を幸福だと嫉妬しながら考えないように用心するがいい。(中略)君は、将軍や、市長や、執政官になりたいと思わず、むしろ自由にこそなりたいのではないか。だが、自由に至る道は我々の力の及ばないものをすべて軽視することにある。
- きみの心が万一にもきみを離れて、外部に向かい、世間の気を迎えようとする気持ちが生じたなら、君は正しい心の状態を失ったのである。
地位に固執して、それを目指すことは、不必要な競争や人の悪意にさらされ、それは、自分がしたいことが出来なくなっていくこと、自由が無くなっていくということになります。
自分がしたいことに対して、努力をするのがいいと思います
また、人の評価を気にするのはやめましょう。人の評価ばかり気にしてては、自分のしたいことは出来なくなります
仕事をし続ける
- きみがもし、それをしなければならぬという確固たる信念をもってあることをなすとき、たとえ、大衆はそれについて違って考えようとも、公然とそれをするのにはばかることはない
- 適当な時期に、その全生涯をなんらかの偉大な、そして、真正な事業にささげることである。これは人に創造的活動をもたらすものであって、こうした活動なしには、真の幸福は、考えられないのである。これは、迫害にあって、人を沈着ならしめ、嫌悪に対応する意志の力を与え、恐怖に陥ることなく、断乎(だんこ)として、自分の意見をまげず、苦労をいとわず、また自分自身の過失に対して、忍耐強くさせるものである。
- 自分自身に対して、さながら敵に対し、裏切り者に対するように、たえず警戒を怠らないのである
- きみはもはや、青年ではなく一人前の大人である。きみが相変わらず自分のことをなおざりにして、のんきにその日を送り、いつも延期に延期をかさね、計画に計画をつんで、その日から自分を大切にしようという日を、一日一日と繰り延べていくならば、きみはいつとはなしに、なんの進歩にも到達せず、無教養者として、一生を終えることになるだろう
自分の全身全霊をかけて仕事をしましょう。あなたは仕事はつまらないと思うかもしれませんが、地位や評価を気にしなければ、仕事の多くは人の役に立つ創造的なものです。
それは、あなたを「力の及ばないもの」から守り、あなたを幸せにします。「力の及ぶもの」である自分の心をコントロールし、仕事に対して努力をしてみるのもいいと思います。自分自身が「力の及ばないもの」に固執しないように監視しつづけましょう
そして、毎日、頑張りましょう
まとめ
まとめになります。
幸せになるために、
- 「力の及ばないもの」に手を出さない
きちんと「力の及ぶもの」と「力の及ばないもの」をしって、力の及ぶものに注力する限りは、だれもあなたを攻撃しません。
でも、もし、あなたが「他人の力の及ぶもの」に対して、なにかを強制しようとしたりすると、敵とみなされ攻撃されてしまいます - 「力の及ぶもの」をコントロールする
未来や人の評判とかを不必要に想像して、不安になるのはやめましょう
自分のことであっても客観的に判断し、感情に囚われないようにしましょう - 「力の及ばないもの」に備える
自分の思い通りにならなくても、忍耐強く待ちましょう。チャンスは必ずやってきます
有事に備え、準備を怠らないようにしましょう - 「力の及ばないもの」を気にせず、「力の及ぶもの」に注力する
地位に固執するのはやめましょう。地位に固執すると自由がなくなっていきます
人の評価を気にすることはやめましょう。気にすると自分のしたいことは出来なくなります - 仕事をし続ける
自分が全身全霊をかけて仕事をしましょう。それは、あなたを幸せにします
自分自身が「力の及ばないもの」に固執しないように監視しましょう
毎日、頑張りましょう
今回のことを実践すると、冷静さと不屈さを得られ、自由に近づくとヒルティはいいます。
このようなことに幸せを感じる方は是非、実践いただけばと思います。
その代償として、出世や名声は得られないかもしれませんので、その点は、要注意です。
こういう幸せの形もあると思ってもらえたらと思います。
あなたは、出世や名声をとりますか?それとも自由をとりますか?
所感
前回の仕事で幸せになるに続き、また仕事をしなさいという話になってしまいました
仕事を面白くないと思っている人が多いと思います。
仕事は創造的なものばかりではなく、単純作業が多いものですし、
また、上司のこととか、お金のこととか、人の評価とかによって、僕たちは影響を受けます。
でもそれらを抜きにして、自分の仕事をみたとき、本当にそれは面白くないものでしょうか。
自分と仕事との関係を一度、考えていただければ幸いです。
参考文献
ヒルティ 幸福論 (第1部)
荻野弘之 かおり&ゆかり 奴隷の哲学者 エピクテトス 人生の授業
ヒルティの幸福論解説の続きはこちら▼「どうしたら策略なしに常に悪と闘いながら世を渡ることができるか」について紹介しています。
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